ICTの積極的な活用を支援します


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一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第57号)
    http://www.ictm-p.jp/
                          2018/9/20

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【目 次】
 
1.巻頭コラム『標準化なくして新製品開発スピードは向上せず』

        ICT経営パートナーズ協会 理事
        (株)プロセスデザインエンジニアリング 代表取締役社長
                           渡辺 和宣
             kwatanabe@process-design-eng.com
              
2.特集記事 『戦略のミスを戦術でカバーしてはいけない!』

                  株式会社エイチ・ピィ・ピィ・ティ
                                              代表取締役  坂本 裕司
                 info@hppt.jp
                 http://hppt.jp/
3.ニュース・お知らせ
 ・協会、分科会の活動報告
  ・協会関連セミナー、その他ニュース
 ・協会会員のセミナー、製品紹介、その他ニュース

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【巻頭コラム】『標準化なくして新製品開発スピードは向上せず』

        ICT経営パートナーズ協会 理事
        (株)プロセスデザインエンジニアリング  代表取締役 社長
                            渡辺 和宣
              kwatanabe@process-design-eng.com

 私が開発したビジネスアナリシス方法論GUTSY-4は、企業の上位から鳥瞰し
 てボトルネックを特定した上で、これに関連するビジネスプロセスやルール
 を改革・改善します。対象業務は、サプライチェーン計画・調達・製造・受
 注出荷、新製品開発やマーケティング・販売など。企業全体の鳥瞰やプロセ
 ス調査・設計の際に、内蔵している業務参照モデルを参考にします。

 私は、両者の開発に既に12年間余りを費やしました。2000年代前半には、米
 国発の標準プロセスモデルSCORを手掛けていました。韓国や台湾の人には話
 が通ずるのに、なぜ日本ではSCORがダメなのかを痛感しました。

 日本には「真実は細部にあり」という諺もあり、細部をうまく実施する日本
 品質で1960-1980年代には世界を席巻。この時代は「ものづくり」が主体で
 すが、品質大家のデミングと並ぶジュランは同時に「いくら技術の粋を尽く
 しても消費者が買わなければそれは不良品だ」と言っていました。

 2018年でいまだに「ものづくり」が強調され過ぎています。たとえば、TVコ
 マーシャルを見ても日本の家電には魅力を感じません。妻は時々海外の斬新
 な家電、掃除機とかを買って失敗しますがやはり私と同様。一方、現在、日
 本企業の品質偽装のニュースがどんどん流れています。どうやってISO認証
 を取得できたの? 業務監査部門は何していたの?

 全体最適をはかるサプライチェーンでは、もはや中国や台湾の超優秀な経営
 者の全体を見渡す能力に勝てません。日本の稟議制度や予算制度で、悠長に
 経営者が判断していてはスピードで勝負になりません。その例が海外に買収
 されて復活した日産やシャープ。サプライチェーンで日本が勝てないとする
 と、残るの方法は高付加価値の「新製品開発」しかありません。しかし、現
 状では10%以上のR&D(研究開発)投資をしていても、日本企業の利益率は海
 外企業に比較して相当に見劣りします。それはなぜでしょうか?

 実は、R&Dはさらに標準化が必要なのです。新製品の成功率は数%以下と言
 われています。アイリスオーヤマはもの凄くても20%。自社がいくら努力し
 ても市場の評価は複雑だからです。ですから新製品開発において、失敗する
 ものは早く失敗して損害を最小化する。開発期間が長期化したら、市場もそ
 の間に変化してしまいますし、開発投資額もかさみます。

 市場変化に対応するため「失敗するものは早く失敗させる」。この確率論を
 実現するのが、開発プロセスの標準化です。標準化によって一つのプロセス
 が完全に終わらなくとも、他のプロセスは見切り発車できるのですから期間
 短縮できます。たとえば、エクセレントカンパニー3M社は、D開発だけでな
 くR研究の全プロセスを標準化して世界の複数拠点で新製品開発を進めてい
 ます。日本企業はどうかといえば、この標準化以前にサプライチェーンすら
 「見える化」ができていないレベルです。

 さらに標準化で失敗を早く表面化させるだけでは不十分。昔はシックスσ、
 今はデザイン思考で、標準化された開発プロセスをさらに強化するのは当然
 です。 そして、プロセス以外にも、研究開発者の時間でいえば、大昔の自
 由に使える「15%ルール」から、30%は社外活動に使わねばならない「30%
 ルール」に変わり、いまは更に・・・、そうした「働き方」制度も不可欠で
 しょう。

 私自身やGUTSYを利用した場合、相手に気付いてもらうファシリテーション
 が中心となります。コンサルタントが問題点を指摘し、改善方法を指導する
 訳ではありません。あなたは、外からコンサルタントが来て短期間の分析だ
 けで「・・・・すべき」と言われたら、ハイとそのまま従いますか?私はい
 やです!コンサルタントにだったらあんたが会社を作ってやって見せてくれ
 と言いたい(笑)。

 GUTSY-4の業務参照モデルは「すべき」ではなく、「例」として相手の気付
 きを引き出すのに利用します。課題は指摘するのではなく、自分自身で気づ
 いてもらうのです。そして、どう解決していくかの視点も提供します。例え
 ば、設備・部品、組織、プロセス、ルール、人の能力や動機付け、ITシステ
 ム、これらをバランス良く考えてもらいます。自分が気付いた問題点に対し
 て、解決法も自分で考えてもらう訳です。その方が最後まで改革・改善が貫
 徹されるからです。

 現在は、R&Dでは4社目のプロジェクトを遂行中です。GUTSY-4を利用して
 材料開発技術者を社内コンサルタントに育成中です。なぜならば、米国企業
 ではビジネスアナリストが社内に存在して、20近い職種が確立しているから
 です。

 週1日訪問で育成中の技術者ですが、日本人には使命感がありますし、何せ
 理解力のレベルは高い。今までそうした事を教えられてこなかっただけ。GU
 TSY-4が格好の教科書ですが、状況によってある部分にはしっかり自分の考
 えを主張してきます。5社目、6社目も商談中です。

 皆さん、ICT経営パートナーズ協会で一緒に、新製品開発に取り組みません
 か?

 <関連情報>
 新製品開発プロセスの標準化に人生を!
       http://process-design-eng.com/contents/post-87.html

 GUTSY-4方法論
  http://process-design-eng.com/contents/method/1-gutsy-4.html

 業務参照モデル
       http://process-design-eng.com/contents/model/2.html


                                以上

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【特集記事】『戦略のミスを戦術でカバーしてはいけない!』

                   株式会社エイチ・ピィ・ピィ・ティ
                                               代表取締役  坂本 裕司
                       info@hppt.jp
                   http://hppt.jp/

  政府が取り組んでいる働き方改革は、国会内で紆余曲折はあるものの日本
 のGDPを成長させる上でこれからも粛々と推進されていくことと思われます。

  この働き方改革に対して、「企業の収益性向上に繋げるために個人の生産
 性向上」を支援をしているマネジメント・コンサルタント(以下、MC)とい
 う立場から、「言葉の定義」というテーマで述べてみたいと思います。

  MCという職業柄頻繁にいただく質問が「どうすれば無駄は無くなります
 か?」。そして、この質問をいただいた時にMCとして必ず逆質問するのが
 「ところで、御社の無駄の定義は何ですか?」。

 ぼんやりと定義できているが、言霊を感じる程には定義されておらず、従っ
 て信念を持って回答できる当事者が少ないこと、及び、仮にその当事者が信
 念を持って回答したとして、その定義の共有が自社内で徹底できていないこ
 とが気になっております。自社内で無駄の定義が保有・徹底されていないに
 も関わらず、企業として無駄を無くそうとする取り組みに、組織としてどう
 いう効果を狙いたいのだろうか? 

  不幸にも無駄の定義を保有・徹底できていない企業に限って本来狙うべき
 目的が蔑ろにされ、手段先行に陥り、その手段に対して根拠のない安心感に
 酔っている企業も少なくありません。愚者は経験に学び賢者は歴史に学ぶな
 らば、昨今のRPA(robot process automation)ブームが手段先行に陥らな
 いことを危惧しております。

  ここで手段と企業の競争優位性について述べてみます。手段の話題になる
 と、日本人は自社の狙いを尊重する前に他社の事例を参考にする傾向があり
 ます。ここで注意を払う視点として、他社がその手段を導入することで到達
 できたであろう「あるべき姿」に、なぜ企業文化が異なる自社も「そのある
 べき姿」に到達できるのでしょうか。その前に、そもそも「同業他社が到達
 したあるべき姿」を「自社のあるべき姿」と語って良いのでしょうか? 仮
 に同業他社のあるべき姿を自社のあるべき姿としても、取り組み期日が遅れ
 ている時点で他社よりも競争劣位であることになぜ気づかないのでしょう
 か? 戻るべき論点は、そもそも「自社が目指したいあるべき姿」とは何な
 のか?

  小生がクライアントと面談を進めていくと、最終的には、「今回の取り組
 みでそもそも実現したいあるべき姿(以下、ありたい姿を含む)は何です
 か?」、このフレーズに辿り着きます。しかし、この質問に対して役職を問
 わず信念を持って自分の言葉で語る管理職・担当者が少ない。「それらの
 テーマは経営陣が考えるべき」と捉え、自ら創造しない社員が多い企業は必
 然的に手段先行にならざるをえません。故に、「世間では、RPAがブームに
 なっているらしい。自社でも何か役に立つはずだ。調査しろ!」と指示する
 経営者は論外です。

  手段に一生懸命取り組んでいるとパラダイスのようなあるべき姿がどこか
 らかやってくるはず! と期待することを無謀と言います。One year rule
 で損益管理されている企業経営において、不確実性の高い領域に足を踏み入
 れることは挑戦ではなく無謀であり、無謀を許容するステークホルダーは存
 在しません。

 「取り敢えず」取り組んだ内容は「取り敢えず」の結果にしかなりません。
 入り口と出口は相関するものです。企業経営はラッキーという概念に頼るこ
 とができないにも関わらず、「取り敢えず取り組んだ内容」に対して、「根
 拠のない結果」に期待していないだろうか?

  では、働き方改革の成功とはそもそも何なのか? ここまで述べた通り、
 先進的な手段を採用することではありません。世間の働き方改革の定義が正
 しいかどうかはさておき、世間の情報を参考(=インプット)に自社オリジ
 ナルな働き方改革の定義(=アウトプット)を創ることが重要です。現在の
 企業経営環境は成長社会ではなく成熟社会であるからこそ、過去からのLine
 rな発想で将来が作れるものではありません。将来のあるべき姿(以下、肯
 定的未来図)から現在を観て問題を創り、その乖離を最適な手段で埋めるこ
 とで競争優位が創造できると考える方が、この時代に合っているのではない
 でしょうか。つまり、肯定的未来図の設定を間違えると手段の選択も間違う
 とも言えます。

  では正しい肯定的未来図は存在するのでしょうか? 肯定的未来図に正し
 い・間違いはなく、むしろ、設定された肯定的未来図にステークホルダーが
 ワクワクできれば、結果的に正しい肯定的未来図であった、と言えるのでし
 ょう。

  プロのビジネスパーソンであるならば、言葉を使用するのではなく言葉を
 選択していきたいものです。選択するためには言葉を定義しておくことがビ
 ジネス活動におけるエチケットと言えます。

  この原稿内で取り上げた、「働き方改革」、「無駄」、「効果」、「ある
 べき姿」、「問題」、「肯定的未来図」他、これらの言葉は小学生でも理解
 できますが、社会的責任を追っている我々が使用する場合、自身の魂が宿っ
 た言葉として使えているかどうかが問われます。言葉に言霊を感じられる時、
 社内外を問わずコミュニケーションが捗ります。定義した言葉を選択する行
 動規範が良い企業文化を醸成することでしょう。

  もし、御社が1人の1000歩を期待する経営ではなく、1000人の1歩を期待す
 る経営を目指しているならば、この行動規範は必須です。

  最後に、貴社にとって「働き方が改革されている状態」とはどんな状態で
 すか? そしてその状態に対してステークホルダーをワクワクさせられてい
 ますか? 肯定的未来図に共鳴できているならば、仮に手段を間違えたとし
 ても各々が能動的に代替手段を考察し続けていることでしょう。結果、肯定
 的未来図が現実の世界としてあなたの目の前に現れてくるはずです。

  肯定的未来図実現に向けた方向付けと資源配分(戦略)のデザインミスを
 手段(戦術)でカバーしてはいけない!

                               以上
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【ニュース・お知らせ】  

●ICT経営パートナズ協会メルマガ読者様各位

   ビジネスプロセス基本知識有料研修コース(入門レベル)ご案内
                       (有)ファイルース主催

 
  本コースは、SIベンダー様(システムユーザ企業様含む)の営業職位や
 システム技術者様の若年層の方々に製販・在庫・経理・原価等業務知識の基
 礎をご案内することを狙いとする有料研修コースです。

 旧ERP研究推進フォーラムの業務研修専任講師を過去13年間勤めておりま
 した青柳六郎太(元専修大学大学院客員教授、中小企業診断士/税理士)が
 旧フォーラム研修内容を継承して実施しております27科目のカリキュラムの
 復刻版で2018年度下期のスケジュール表を、下部URLをもってご案内させ
 て頂きます。

 生産管理、CRM等一部カリキュラムを除き、講師は、青柳六郎太が担当
 させて頂いております。

 研修料金は1カリキュラムあたりお一人15,000円を御申受けしておりますが、
 コースによっては市販教材のご購入を別途料金でお願い申しあげております。
 
 受講生は、現状ではITベンダー様の営業職、SE職の若年層の方々で、内
 容は業務プロセスの初歩的/基礎的な内容習得を主としております。

 ■直近の開催日:(11月以降年間スケジュールはコース案内参照ください
       http://www.a-sol.co.jp/service/business_seminar.html )


  2018/10/02(火):新売上計上基準/29号による販売管理システム見直/改修
          の重点課題研修

    2018/10/09(火):グローバル取引の基礎知識
          (製販基幹系システム提案に有効な業務常識)

  2018/10/18(木):新売上計上基準/29号による販売管理システム見直/改修
          の重点課題研修

  2018/10/30(火):簿記初級・3級受験対策研修
          (顧客に信頼を得る“会計が分かる営業/SE”として
          取得しておきたい検定対策)

  ■各回共通時間:

   ・開場13:00
   ・開講13:30~17:30

  ■場所:10月02日 10月18日
          JR秋葉原駅昭和通口から徒歩5分程度のビクタス(株)
          研修会場

      10月09日 10月30日
          NJC本社西新宿5丁目 研修会場
          〒151-0071 渋谷区本町三丁目12番1号 住友不動産西新
          宿ビル6号館11F 日本事務器本社受付ご来場
      
      
  ■研修資料はPDFでメール配信させて頂いております。

  ■お申込事務は、(株)ATTソリューションズセミナー担当:
     business_seminar@a-sol.co.jpが代行しておりますが、コースの詳
   細は、青柳六郎太(r-aoyagi@kmd.biglobe.ne.jp)まで直接、お問い合
   わせ頂ければ幸いです。
   青柳の電話090-6346-4844です。

  ■コース案内URLは、こちらからお願いします。
    http://www.a-sol.co.jp/service/business_seminar.html

   なお、コースは実施実働5日前に定員5名に満たない場合は中止させて頂
   きます。


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