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一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第18号)
http://www.ictm-p.jp/ 2015/6/17
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【目 次】
1.会長コラム『 迫力ある日本再興戦略を期待する 』
2.特集記事 『 超高速開発の先にある世界への期待 』
株式会社ジャスミンソフト 代表取締役
超高速開発コミュニティ 幹事
贄 良則
3.ニュース・お知らせ
・協会、分科会の活動報告
・関連セミナー、その他ニュース
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【会長コラム】『 迫力ある日本再興戦略を期待する 』
ICT経営パートナーズ協会
会長 関 隆明
政府の新たな成長戦略「日本再興戦略」改訂版の骨子案が提示された。
昨年迫力に欠けると批判されたこの戦略の中身の充実と力強い実行が、強く求
められている。今回は特に中・長期的な国際競争力強化に重点が置かれている。
従来日本は個々のものつくり技術は優れているが、それらを結びつけ、顧客
の要求に合致した製品を、より安く作り提供することが下手だと言われて来て
いる。今や国対国の競争時代であり、企業や個人の生産性は勿論、国の支援の
効率性も大変重視されて来ている。
然しOECD加盟諸国の中で、我が国の国民一人当たりの生産性は第22位、国
連の電子政府ランキングでは第18位と言う低位に甘んじて居り、その大きな
原因の一つがIT活用の遅れだと指摘されている。
現在韓国は政治的には我が国と難しい関係にあり、国内でも厳しい問題を抱
えている国ではあるが、電子政府ランキングでは欧米をおさえて第一位を占め
ており、IT活用の面では世界の先端を走って居り、大変参考になる国だと思っ
ている。 先日韓国のKOTRA(大韓貿易投資振興公社)主催のフォーラムで、
「韓国の大規模IoT投資と未来成長戦略」についての講演を聞く機会を得たの
で、先ずは韓国の最近の動きについて述べてみたい。
何より注目されるのはスマートフォンとIoTとの急速な進歩である。国民の8
2%がスマートフォンを持ち、日常生活でなくてはならないものになっている
とのこと。韓国の強味の家電製品を次々IoTに繋ぎ、その便利性を高めた「ス
マート家具」の進歩が凄い。
ドアを開けて見なくても中身が分かり、賞味期限切れを知らせる冷蔵庫、汚
れの落とし方を教える洗濯機、「見ていないのでは?」と話しかけるTV、歯磨
きをしながらTV画面を見せてくれるスマートミラーなど、単に“便利さ”だけ
ではなく、“遊び心”を取り入れた器具を次つぎ生み出しているようだ。
これはサムスン始め電子メーカの持つ超小型・低電力・知能センサーや半導
体チップ及びネットワークの優れた技術と、アーリアダプターと呼ばれる“他
の人よりいち早く使いたがる”韓国人の特性とが相俟って、他国では考えられ
ないスピードで生み出されていると考えられ、「スマートホーム」実現に向か
って突き進んでいると言う感じだ。
更にスマートフォンで買い物から決済まで出来るサムスンペイや中国のアリ
ペイを用いた「スマート金融」、各種ウエアラブル機器、センサーを付けたス
マートスーツを使って集めた健康データを使って診断してくれる「IoT病院」、
屋外のデータを集めるデバイスとして活用している「ドローン」など、市民生
活の向上を目指す「スマートシテイ」実現の為のIoT活用に積極的に取り組ん
でいるようだ。
今回はあまり聞けなかった工場のIoT活用だが、“あらゆる機械の具合をウ
オッチするシステムなど、「スマート工場」実現への試みを当然しているよう
だ。「スマートカー」では、時速100km以上で走る車から、150Mbps
のデータを継続伝送出来るよう、5Gから最大50Gbpsの実用化を2018年
のピョンチャンオリンピックを目標に進めている。
その他「児童安全警報サービス」や「緊急災難警報サービス」などにも力を
入れている。日本よりいち早く定着させた住民登録番号制度の実施から得られ
た「政府のセキュリテイ対策」のノウハウは大変進んでいるようで、“日本の
「マイナンバー制度」実施に際しても十分注意するように”との忠告まで受け
た。
然し以上の如くかなり積極的に進められてきたIoTも、省庁ごとの管理や重
複支援、SI事業者中心で進められて来た為、取り上げるテーマもランダムで、
持続性に欠けるなどの問題があったとのこと。
そこで2014年5月にIoT基本計画が立てられ、2015年から国家未来成
長の原動力としてIoTを重点テーマとして取り上げ、「IoTイノベーションセン
ター」及び[IoT実証実験推進団」を発足させたそうだ。
支援内容としては
「安全なIoTインフラ造成」
「IoTサービス市場拡散」
「スマート安心国家造成」として
「IoTセキュリテイ技術開発」や「IoTセキュリテイ認証制度の検討」
「IoTグローバルパートナシップ支援事業」
などが、予算額も明示して公表されている。
そして「IoT実証団地」として、2015年~2017年の期間で
大邱市:「需要連携型デイリーヘルスケア実証団地」
釜山市:「スマートシテイ実証団地」
の試みがなされ、更に今年中に、「スマートファクトリ」、「スマートホー
ム」、「スマート電力セキュリテイ」、「スマートカーコミュニケーション」
等のテーマで企業を選定し、実証実験を始めるとのこと。
更に注目されるのは2015年からソウル市をIoT特区と定め、「観光客と住
民の共存」、「駐車・ゴミ問題」、「センサーインフラ構築」を進め、202
0年に「世界で最もIoTをうまく活用する都市・市民」の実現を目指すそうだ。
以上紙面の都合上、やや摘み食い的な報告になったが、「ホーム」でも「町」
でも「工場」でもIoTを中核に据え、予算の裏付けを持った極めて具体的な支
援策が打ち出されているようだ。
かつての電子政府や住民登録番号制度でも、一度決められた国家戦略は政権
が変わろうとも、継続的に実行され、その実現に当たって遵守すべきことは大
統領令を以って徹底を図る韓国のやり方を思うと、我が国よりもまた一段と先
へ進んで行くように思える。
6月に打ち出される改訂版「日本再興戦略」も具体性に富んだ、迫力あるも
のであることを期待したい。
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【特集記事】 『 超高速開発の先にある世界への期待 』
株式会社ジャスミンソフト 代表取締役
超高速開発コミュニティ 幹事
贄 良則
かつてインテルの創業者であるアンディ・グローブ氏は「シリコンバレーでは
パラノイアのみが生き残る。」と発言されました。日本流にいえば「オタク」
に近いでしょうか。一つのことにとことん集中して取り組み、その様は周囲が
唖然としてついていけない、そこまで向き合わなければ世界を変えることはで
きない、という意味だと解釈しています。
このような発想は「お客様の言われたとおりのものをつくる」という立ち位置
からは生まれません。お客様に対して、ずうずうしいほどに「未来はこうなる
ので、今のうちにこうしたほうがいい。なぜそうしないんだ!」と言い切るほ
どの強い信念をもち、かつ、人生を賭けるという情熱が必要です。超高速開発
コミュニティに率先して関わる人たちの活動は、これに近いのかも知れません。
そうだとすれば、実はコミュニティのリーダーたちは世界を変える力をもって
いる可能性がある、ということです。
超高速開発を技術的にみると、プログラミングの抽象度をさらに一段、上げる
試みといえます。かつて、機械語でのプログラミングはあまりにも生産性が低
いということで高級言語が登場しました。高級言語も時代とともに構造化から
オブジェクト指向へと、抽象度が上がっていきます。そして超高速開発時代で
は、汎用プログラミング言語から、業務アプリケーションに特化したDSL (Dom
ain Specific Language) を使うようになりました。
これはかつての4GLとは異なります。設計情報をDSLで表現することによって、
これまでのプログラミングを不要とするアイデアは、かつてないほどの生産性
を実現します。開発者はプログラムの書き方ではなく、システムの構造と振る
舞いを理解することに注力できます。これはプログラミングの進化系であり、
機械がまた一歩、人間の思考に近づこうとしているのです。
これは時代が求めている方向性にも合致しています。日本をはじめとする先進
国では、人間のミスをできるだけ最小化するような、完成度の高い社会が求め
られています。以前であれば「仕方ない」と諦めていたような機会損失をなく
し、一人一人が毎日を最高な状態で過ごせるようにするために、IT は欠かせ
ません。これによって高品質で安定したサービスを安価に享受できるようにな
れば、文明はより高みに至ることでしょう。超高速開発を支える自動化技術の
発展は、文明の進化を加速させることにつながっています。
しかしこのような世界は一方で、人間にとっての仕事という概念を根底から変
えることになります。自動化が進むほどに、”労働” という意味の仕事は減
るでしょう。しかし “創造” は残ります。本来、人間が愉しんでとりくむべ
きは “創造” 分野であって、自動化技術は人類の労働からの解放という大き
な貢献につながります。
古代ギリシャでは、市民の仕事は政治と文化の発展に寄与することでした。
当時に花開いた科学や哲学の基礎は、今も現代社会を支えています。もし70億
もの人間が労働から(そして戦争からも)解放され、思い思いに創造分野に取
り組むことができれば、私たちの社会は、かつて経験したことのない繁栄を謳
歌するに違いありません。超高速開発に携わる人たちは、そのような大きな流
れの一部として活動しているのだと考えると、大変わくわくします。
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【ニュース・お知らせ】
●東商ICTスクエアへの協力を開始しました。
今年5月に東京商工会議所が開設しました企業のICT活用を総合的に支援する
サイト「東商ICTスクエア」への協力をはじめました。
東商ICTスクエア:http://www.tokyo-cci-ict.com/
すでに当協会メンバが書いた「東商ICT相談室」の回答も公開されています。
今後「当協会主催セミナーの案内」、「お役立ちコラム寄稿」、「企業事例紹
介」「個別相談対応」などにも取り組んでいく予定です。
ICT活用にお悩みの方がいれば、当協会および東商ICTスクエアをよろしくお願
いいたします。
◎参考:東商ICTスクエアとは
1.目的
中小・小規模事業者のICT化推進による生産性向上
2.コンセプト
(1)東商だからこそ安心して見てもらえるホームページ
(2)中小・小規模事業者にもICTをわかりやすく解説
(3)気軽に相談できる
3.ターゲット
中小・小規模事業者の経営者、ICTに関連する担当者、及びICT支援者を想定
しています。
4.主なコンテンツ
(1)ICTに関するセミナー・イベント情報提供(東商と連携する他団体の情報
も含む)
(2)導入事例紹介
(3)コラム
(4)相談受付
●当協会主催のセミナー『業務分析速習セミナー』をご案内します。
◆日時:7/24(金):1日目、7/27(月):2日目 両日とも10:00-17:00
◆場所:東京都中央区日本橋本町4-8-15
ネオカワイビル 5F セミナールーム
◆概要:アプリケーションの設計や開発に従事している技術者の方々に、
業務分析とその結果発生する要求事項の分析スキルを身につけていただく
ことを狙いとしたコースです。業務分析をどのように実施していくのか、
あるいは、要求分析をどのように行うのかといった手法(ハウツー)につ
いては多くのことが語られていますが、業務やプロジェクトの環境が違う
と、そういったハウツーを適用しても必ずしも成功しないのが実情です。
このコースは、そういったハウツーに焦点を当てるのではなく、
(以下は、下記をご覧ください)
紹介サイト:http://hipstergate.jp/seminar/3493/
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●超高速開発分科会から設立した「超高速開発コミュニティ」からのお知らせ
★第12回セミナー「ユーザー事例発表 Magic xpa, Seap, Wagby」のご案内
◆概要 ユーザー事例を中心としたご発表です。”超高速開発” を体験した
ユーザー の生の声をお届けします。
◆日時 平成27年7月7日(火)13:30 ~ 17:00 (開場 13:00)
◆会場 エッサム神田ホール 3F大会議室
http://www.essam.co.jp/hall/access/
◆参加費 会員は無料。非会員2,000円/名
◎詳細・申込み、その他情報は http://www.x-rad.jp/まで
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●関連セミナーのご案内
★「経営革新セミナー第2回」のご紹介
【主催】 情報戦略モデル研究所(ISMリサーチ)
【協同主催】 一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会
【セミナー概要】
当セミナーは、ICT経営パートナーズ協会のメンバが時流及び現在注目
されている経営革新テーマを取り上げ、その背景および課題解決のキーポイ
ントを提供するものです。
各講師が担当するテーマは約1時間でその重要ポイントを解説します。
◆ 日時:平成27年7月22日(水) 13:30-16:45
◆ 開催場所:公会堂教室 (中央区立日本橋公会堂)
◆ セミナー構成
・「経営改革推進のために押さえておくべき業務知識とは」
講師 本間峯一 ICT経営パートナーズ協会理事
・「7つの習慣が証明する、ITコストを半分に抑え経営イノベーションを起
こす原則」
講師 木村礼壮 ICT経営パートナーズ協会運営会員
・「ドラッカーのいう企業家戦略」
講師 井上正和 ICT経営パートナーズ協会活動会員
◎詳細、申込みは http://www.ictm-pa.jp/seminar-c/0722seminar/ まで
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