ICTの積極的な活用を支援します

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  一般社団法人 ICT経営パートナーズ協会 メルマガ (第16号)
      http://www.ictm-p.jp/          2015/4/15
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  【目 次】
 
1.会長コラム『 過去の成功体験から脱しよう 』

2.特集記事 『 過去の常識が覆される時代をワクワクして生きぬく 』
                     ICT経営パートナーズ協会 理事
                        ナレッジネットワーク株式会社 代表取締役
                                                     森戸  裕一
                                     
3.ニュース・お知らせ
 ・各種団体との連携、その他活動報告
 ・「超高速開発コミュニティ」の活動内容とセミナー紹介
 ・その他ニュース

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【会長コラム】『 過去の成功体験から脱しよう 』
 
                    ICT経営パートナーズ協会
                       会長 関 隆明

  今回は当協会の活動に今直ぐ結びつくと言うことではないが、私が大変危惧
していることについて述べさせて頂きたい。

 日本がマイナンバー制度実施への準備に追われている時、世界は第4次産業
革命に突入し、国を挙げてその覇権を握ろうと競っている。        
  
 ドイツは世界に冠たるモノ作り大国を目指し、「インダストリ4.0」をス
ローガンに、政府が資金を出し、多くの企業や大学が協力して規格作りや技術
開発に邁進している。目指しているのはIoTを活用し、ロボットや3Dプリン
ターを取り入れた製造設備を、社内外で繋ぎ合わせ、大量生産と変わらないコ
ストで、オーダーメイド製品を作る「マスカスタマイゼーション(個別大量生
産」の実現である。

 単なる夢ではなく既にシーメンスのアンベルク工場では、センサーを備えた
設備同士を同じ通信規格で接続し、あらゆる製品をリアルタイムで管理、制御
するシステムを実現している。その結果昔と変わらぬ従業員数、同じ工場の広
さで生産台数8倍、品目数5倍を達成したと報告されている。


 米国ではGEが「インダストリアル・インターネット」を掲げ、例えばガス
タービン工場では、1つのタービンに何千ものセンサーをつけ、膨大なデータ
を収集し、それを解析したデータを次世代機開発に活用し、開発期間を大幅に
短縮している。また最先端の製造技術の開発拠点では、3Dプリンター、レー
ザ技術の開発が進み、2020年までに10万点以上の金属部品を、金型から
3Dプリンター製造に変えて行く方針とのこと。

 GEを中心にIBM、インテル、AT&Tなどが協力して「インダストリアル・イン
ターネット・コンソーシアム」を設立し、今では115社が参加しているそう
だ。GEに負けじとグーグルやアップルなどがそれぞれの強味を発揮すべく、グ
ループを編成し、熾烈な競争を展開している。


 これら先進国の動きに対し、インドは強いソフト技術力を生かし、IoTを活
用して先進国に負けない生産効率の実現に邁進している。既にEKIという会社
の工場では、工場内の全ての機械がインターネットに接続され、工場制御室の
モニターで稼働状況を監視し、各機械の生産順序やスピードを調整し、生産効
率の最大化を実現している。

 更に日経新聞の記事によると、世界の製造工場中国は、今年のハノーバーで
のIT見本市CeBITで、ドイツとの接近ぶりを強くアピールしたそうだ。メルケ
ル首相は「独中の協力が世界の製造業のIT化を促す」と述べ、中国の李首相は
「中国にもインダストリ4・0を広めたい」と協力を約束したとのこと。

 具体的な動きとしては、インダストリ4.0の主要メンバーのSAP社と中国
の通信機器世界最大手の華為技術(ファーウエイ)社との提携が注目されたそ
うだ。以上の如く日本抜きで、新しい時代の製造業の覇権をかけて、国対国の
熾烈な競争が展開されている。


 このような中で過去の成功体験に捉われ、優れた技術を後生大事に自社内に
留め、IoTを駆使して他社と積極的に連携して行こうとする動きが見られない
我が国の現状に、大変な危機感を覚える。

 工作機械やロボットなど、個々には世界をリードする優れた技術を持ちなが
ら、それらをインターネットに繋ぎ、製造ライン全体の稼働の最適化や外部企
業の設備との連携に、余り積極的だとは思えない。そもそもインターネットに
繋ぐこと自体、機密情報の漏洩やセキュリテイの心配がある為、大手の企業で
もためらいがあると聞く。

 この問題は一企業の問題ではなく、産業界全体で解決すべき問題である。
これらの問題を心配するあまり、IoTの活用で出遅れたら、海外企業に負ける
だけだ。最新技術の限界をしっかり踏まえながら、果敢に活用を試み、そこか
ら多くの問題やデータを取り込み、解析して次のレベルに上げて行く、このサ
イクルを速く回して行くことが大事だと思う。


 私は日本でこの革命への挑戦を加速して行く為には、ドイツ型のやり方が良
いと思う。時代は間違いなく、大量生産による安い価格で、同一製品を消費者
に押し付ける時代から、「個」を尊重し、「私だけの」、「私達だけの」製品
を大量生産と同じ価格で提供してくれることを期待される時代へと移って行く。

 こういう時代こそ、他の国では作れない製品を作れる優れた技術を持つ日本
の強味を、大いに発揮すべき時である。特定の企業がイニシャテイブを取って、
コンソーシアムを編成して行くことの難しい我が国では、国が長期的展望に立
って、しっかりしたビジョンを打ち立て、資金を提供し、産官学が結集して、
その実現に邁進して行く体制を作ることが急務だと思う。革命の進行に日本だ
けが取り残されないよう、国を挙げて挑戦して行く時だと思う。

 

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【特集記事】 『 過去の常識が覆される時代をワクワクして生きぬく 』
  
                       ICT経営パートナーズ協会 理事
                              ナレッジネットワーク株式会社 代表取締役
                                                         森戸  裕一

  インターネットの爆発的な普及はビジネス環境を激変させています。今やス
マートフォンの出荷台数はパソコンの出荷台数を超え、私たちは常にインター
ネットにつながった状態にあると言っても過言ではありません。

  一昔前のパソコンに匹敵する高性能のスマートフォンは人々の行動を大きく
変えています。人と人とのSNSコミュニケーション、ブラウザなどでの情報収
集、地図などのナビゲーション機能、ショッピングなどの決済機能など、あり
とあらゆる機能が小さなデバイスの中には備わっています。これによりスマー
トフォンを持った消費者の思考特性や行動特性も大きく変化しています。

  今やネットショップでの買い物もパソコンよりもスマートフォンからという
時代です。自分がスマートフォンを使うかどうかは関係なく、多数の人たちの
行動がそのようになってくる訳ですから私たちのビジネスにおける常識も疑わ
ざるを得ないということになってきています。

  インターネットが無かった時代に生み出されたビジネスモデル、ワークスタ
イル、マネジメントスタイルなど、ありとあらゆる常識が過去からの連続性に
よる緩やかな変化ではなく、インターネットの爆発的な普及で断層ができたが
ごとく急激に変化してきています。


  例えば、クラウドという言葉もCloudというクラウドコンピューティングで
使われるクラウドと、Crowdというクラウドソーシングやクラウドファンディ
ングなどで使われるクラウドの2種類があります。

 共にインターネットが介在したサービスではありますが、サーバーというデ
バイスの置き場や管理手法が変わってきたというIT業界よりのCloudという単
語と、人々が日常的にインターネットを使い始めたことから頻繁に使われ始め
たCrowdという単語では意味もそうですが視点も大きく異なります。この全く
違う意味の単語が中小企業の経営に大きなインパクトを与え始めています。


  まず、Cloudの方ですが、前述しましたようにクラウドコンピューティング
という言葉で使われる訳ですが、中小企業の企業連携に使われ始めました。今
までは大手企業との垂直連携によるビジネスが主流だった中小企業も、同業種
での水平連携による共同受注や異業種連携(新連携)による新しい付加価値や
新規ビジネスを生み出しています。

  中小の印刷会社の機械をクラウドで連携するラクスルなどのビジネスは好例
だといえます。インターネットが無かった時代には実現不可能と思われたこと
を実現するので市場に付加価値(早い、安い)を提供することができるように
なりました。ラクスルではマーケティング業界や広告業界と異業種連携してワ
ンストップでサービスを提供することができるようにしてきています。


  次にCrowdの方ですが、人々がスマートフォンというコミュニケーションデ
バイスを常に持ち歩いているという環境なので、マーケティングなどの市場調
査も多額な費用を使わなくても安く、早く実現できるようになりました。クラ
ウドファンディングの購入型にようにマーケティングと製品開発の資金調達を
同時に行うということ可能になりました。市場ニーズを探りながら同時に製品
開発ができるというのは一昔前には夢のような話でしたが、今は大学生の起業
家でも活用しています。

  また、家族経営のような形で会社内の少ないメンバーで身の丈にあった経営
を行っていた中小企業もクラウドソーシングを使って営業チラシやカタログ、
Webサイトなどが作れますので、少ない費用で高いクリエイティブのものを手
に入れることができるようになりました。また、クラウドソーシングに登録し
ているクリエーターと連携して新規ビジネスを立ち上げている中小企業も増え
てきています。ヒト・モノ・カネという経営資源に乏しい中小企業がインター
ネットというビジネスインフラが整ったことから一気に変化することができる
ようになった訳です。


  システム会社もクラウド環境が一気整ってくると従来型のビジネスモデルで
は経営が立ち行かなくなります。しかし、新しい価値を創造するという未来思
考に変わった瞬間にモノ(システム)が作れるというアドバンテージが発揮で
きます。インターネットが普及する前の経験からくる先入観や常識を一度棚卸
しして、インターネットがモノにも接続されるIoT時代をワクワクしながら切
り開いていきませんか?

 

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【ニュース・お知らせ】

●超高速開発分科会から設立した「超高速開発コミュニティ」からのお知らせ


 ◎「大手ITベンダーの超高速開発の取組み講演会にご招待」
 
 超高速開発コミュニティも設立から二期目となり、会員も178組織(個人含
む)まで成長し、「超高速開発」に対する期待が確信に変わりつつあることを
実感しています。そして今回、大手SIer四社による超高速開発の取り組み状況
について直接、語っていただくという講演会を開催いたします。開発の自動化
をテーマとした各社の最新の取り組みを一堂に伺うことができるのは国内初の
試みであり、ここから日本のSIerの未来を占いたいと考えております。
 
会員対象の講演会となりますが、ICT経営パート-ナーズ協会会員(理事、運営
委員)の方はご招待いたします。下記申込画面にて会員区分は招待枠を選択、
招待先の会社名欄にICTM-Pと記載ください。交流会についても有料ですが参加
いただく事ができます。その他の方は、前日までにご入会頂ければ参加できま
す。
 
 ◆日時 2015年4月24日(金)13:30~16:00 (開場 13:00)
 ◆会場 TOC有明コンベンションホール E-5
(りんかい線国際展示場駅徒歩3分、ゆりかもめ国際展示場正門駅有明駅徒歩4
  分)
 ◆詳細ご確認、お申込は ⇒ https://www.x-rad.jp/
*好評につき満席にて申込み締め切らせていただく場合もありますのでご了承
ください。


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